公開日:2020年8月30日 最終更新日:2020年10月1日
WordPress のメジャーバージョンが 5.4 から 5.5(コードネーム:「エクスタイン」) へとアップデートされました。(10/1 現在は5.5.1が最新版です。)
通常のソフトウェア開発サイクルでは一般公開の前にRC(Release Candidate=リリース キャンディデート)と呼ばれるリリース候補が公開されます。(その前にα版やβ版もありますが、ここではカット)
WordPressも同様にメジャーバージョンアップの際は、特に慎重にこのRCで公開しても問題ないかを確認して、最後に公式リリースとなる訳ですが、どうしても見落とされたバグやセキュリティホールが残ってしまい、迂闊にアップデートしたらページが動かない!!なんて事もあるので、今回はWordPress 5.5 の注意点をまとめてみたいと思います。
その前に、今回のアップデート内容の確認から。
全部紹介するとすごく長くなるので、こちらのリンクが詳しく紹介しています。
ここでは1と2、それともう1つ「プラグインとテーマの自動更新」についてだけ簡単に解説をします。
これは先日Native Lazyload(遅延読み込み) がウェブ標準なったことを受けての実装です。
imgタグやiframeタグに対してloading=”lazy”を追加することで、Chrome76以降そのリソースは遅延読み込みされます。
Native Lazyloadとは、JavaScriptなどの力を借りず、ブラウザ自身がそれを実行する機能です。
これまではJavaScriptの力を借りて遅延読み込みさせていましたが、これからはブラウザとWordPress本体のみで対応してくれてます。
以前からプラグインやJSで対応できていたのに、なんで今更?と思うかもしれませんが、プラグインで対応するとどうしても別途JavaScriptファイルが読み込まれますし、JavaScript自体の実行時間もかかり、その分サイト表示が遅くなるリスクがありますので、ブラウザとWordPress本体が実行してくれるのはありがたいです。
ただし、テーマ内での実装次第で、全ての画像、iframeにLazyload属性が付加される訳ではないので注意が必要です。
これまでは新規プラグインの追加のみ対応していましたが、WordPress 5.5 からは更新も出来るようになりました。
これは運用していると地味にありがたい場合があります。
利用しているサーバーによっては、wp-config.phpに追加情報を記述しないと管理画面からの更新ができなかったり、プラグインによっては自動更新に対応しないものもありますので、その場合はFTPなどでサーバーに接続して、手動でファイルの入れ替えを行う必要がありました。
これ、本当に地味に面倒なんですよね。
頻繁にアップデートしない。インストールしてからほったらかし!!という人には関係ありませんが、そもそもそうい人は WordPress 5.5 も関係ないですね。
最後にこちら。
実はこれまでもカスタマイズ(functions.phpへの追記)やプラグインによってプラグインとテーマの自動更新を有効にする方法はありました。
でもPHPの知識がないと不安ですよね?
下手にfunctions.phpを編集するとエラーでサイトが動かなくなったりします。
そこでWordPress本体がそれらの設定に対応した。という訳です。
公式サイトにも詳しい内容が掲載されています。
安全にWordPressを運用するには、定期的にWordPressであったり、プラグイン、テーマをアップデートするべきです。
ただし闇雲にアップデートするのも危険です。
特に色々とカスタマイズ(プラグインを入れると言う意味ではなく、さらに独自機能を追加している場合)はアップデートにより、サイトが動かなくなる事もあります。
一番いい方法はテスト環境を用意し、そこで一度アップデート版のテストを行い、問題がなければ本番(公開)サーバーもアップデートするという方法ですが、いつもいつもその作業時間が取れるか?というと、ついつい日常に囚われ忘れがちですし、実際時間が取れない!という場合もあると思います。
弊社でもそためのサービスとして「WordPress保守サービス」を提供しています。ただアップデートする訳じゃないですよ?ちゃんとセキュリティ対策も行います。興味ある方は、「WordPress保守サービス」をご確認ください。
テスト環境を作るなら「Local」アプリがオススメです。
すごく簡単に自分のパソコンの中にWordPressを入れた動かすことができます。
「Local」の始め方はこちら
他にも「クラシックエディが使えない」や「TinyMCE系のプラグインが使えない」などの情報もありますが、その辺りは概ねjQuery Migrateが削除されたことやキャッシュの問題の様です。
一番影響が大きいのは1)の「現jQuery Migrate(新旧バージョン差異を解決するjQuery)が削除される」変更でしょう。
多くのプラグインや独自カスタマイズでWordPress同梱のjQueryを利用していた人には影響大きかったと思います。
ただ、5.5.1がリリースされたことで、多くのバグが修正されたり、正式リリースから時間も経ったことで各種プラグインも対応してきたため、現在ではほとんど不具合という不具合を聞かなくなりましたね。
といったところでしょうか。
最後に、自動更新を有効にした後はこういったサービスを利用してみてはいかがでしょうか?
無料で利用できる監視ツールです。
登録したサイトに外部からアクセスができないとアラートを通知してくれます。
24時間356日、常に人間が監視する訳にも行かないので、こういったツールを利用することで、万が一サイトがダウンしても、出来るだけ早く気づき、ダウンタイムを減らせるかもしれません。
弊社でもメンテナンスプランの保守サービスご利用のサイトではこのツールで死活監視を行なっています。